欲しいのは、この絶対的な信頼感。





position







いつものように執務室に入り、自分の机の前に座る。
机の上には山積みになった書類が積み上がっている。
いつものことながら、ふう、と溜め息が漏れてしまう。
「駄目ですよ、隊長。」
傍らで同じく山積みの書類を前に手堅く処理をしている乱菊が、顔を上げた。
「?何でだ。」
「溜め息を吐くと、幸せが逃げていくんです。隊長、知りませんか?」
ふふ、と乱菊が笑う。この女の笑い方は、見た目の派手さとは違い、多分ずっと可愛い、と思う。
思わず見とれていた。
「隊長?どうかしましたか?」
乱菊がまとめた書類の角を揃えて立ち上がった。
「いや…なんでもない。」
何となくばつが悪くて、ぱっと目を逸らした。それを見破られないように椅子をひいて一番上に置かれた書類を手に取る。

「仕事する。…松本」
「はい。お茶煎れましょうか。」
「…おう、頼む。」


何となく、でも絶対に、この場所が心地良い。
だから、絶対に、彼女を手放す気はなかった。
例えあの狐目の三番隊隊長と切れない何かがあったとしても、自分と乱菊の間にある、信頼感をあたえられるのは、自分だけだと思った。
だからいつも、必ず云うのだ。「ついて来い、松本」と。


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